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フレイル予防のイロハ㊥

 「フレイル」という言葉が浸透しつつあります。身体的機能や認知機能が少しずつ下がっていくことで、要支援や要介護状態の手前の段階を指します。日本老年医学会が2014年に提唱してからちょうど10年。改めて、フレイル予防について考えてみませんか。それは、自分自身の心身としっかり向き合うことでもあるようです。安田尚史・神戸大大学院教授(60)に聞きました。

  • シニアライフを明るく充実したものにするための連載「くらしのイロハ」

 ――フレイル予防の柱のひとつ、「社会参加」の意義について教えてください

 はからずもコロナ禍でステイホームになり、社会との交流が減るという問題が起きました。ステイホームによって、高齢者にはいわゆる「コロナフレイル」が懸念される状況が生じたわけです。

 ――フレイルも造語ですが、さらに新しい言葉ですね

 家に閉じこもっていると、体を動かさなくなる。筋肉も食欲も落ちてくる。一方で人とのつながりも少なくなり、気持ちも落ち込んでくる。そうなると、余計に家に閉じこもる。この悪循環の入り口が、ステイホームだという認識がはっきりしてきました。社会との交流が絶たれると、フレイル状態を引き起こしやすいということです。

 ――社会との接点はいくつになっても大切なんですね

 はい。県内各地の自治体では…

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